最近、学校で長女が年上の子に数回にわたってからかわれるということがあったことを受けて、デバグポスター(写真)を作ってみました。
このポスターを最初に見たのは、アメリカの小学校をボランティアで訪れたときでした。これはアメリカでは特別支援学校を中心に採用されているポスターのようで、要は子供たちが誰かにちょっかいを出されたときに彼ら自身がそれにどう対処したらよいかを5ステップにまとめたものです。
(bugというのは虫という意味もありますが、この場合はうっとおしいもの、という感じでしょうか。deは取り除くという意味があります。)
誰かにちょっかいだされたら
まず
1・無視する
それでもちょっかい出されたら
2・その場から離れる
それでもちょっかい出されたら
3・フレンドリーに(穏やかに)話をする
例「そういうことされるの嫌だから、やめてくれる?」
それでもしつこくやってきたら
4・毅然とした態度と言葉で話す
例「いいかげんにして!やめてよ。」
それでもやめなかったら
5・大人の助けを求めよう
ということです。
我が家ではこのポスターをトイレに貼ってあります。ある朝、どこぞの国の大統領演説のような口調で長女がこれを読み上げているのが聞こえてきました。「おぉ、読んでる読んでる」と思いながら聞いていたのですが、このデバグシステム、一番いいところはちょっかい出されたときに自分がどう行動すればいいのかがはっきりしているという点だと思います。うちの子はどちらかというと何かひどいこと言われたら黙ってそれを聞いて静かに心の中で傷ついてるタイプなので、そもそもそういうからかいの言葉に傷つく必要はないんだ、こういうのには自動的に対処しておけばいいという感覚を養うのに役に立つ気がします。
アメリカ人の友人曰く、アメリカでは子供同士のいざこざには基本的には最初から教師が介入することは少ないとのこと。まず、自分でなんとかしようとする姿勢と態度を育てようというのは、こういうデバグシステムなるものを作る国らしいというか、ある意味とても納得しました。
ここフランスはどちらかというと、日本に近いものがあるかも。子供が嫌なことされて、(なぜか子供は)しばらくたってからぼそっと親に言う、心配した親が教師に相談して、教師がそこで介入する、というパターンが思い浮かびます。
ちなみにこのデバグシステム、兄弟、姉妹喧嘩にも適応できそうです。うちの次女はチクリ魔でちょっとしたことでも何かあると第一声に「ママ〜!」ときます。1から4番をすっ飛ばして5番にくるわけです。兄弟喧嘩といえど程度によりますが、「○○が〜のこと、××って言った」程度のものであればこのポスターを見せて本人になんとかする術を覚えさせるにはちょうどいい練習になるかもしれません。なにより、兄弟喧嘩の仲裁に入る親の手間とストレスを減らすのにとても有効ではないかと思います。
効果があるかどうかはそれぞれの子供の性格や状況によるところが大きいとは思いますが、知っておいて損のない5ステップというのには間違いないと思います。
そういう私も5番をGet partners Help.(パートナーの協力を求める)にしたら子供たちのちょっとした「いたずら」にうまく対処できるようになるかも。この場合、1番(無視する/目をつぶる?)が一番の難所になりそうですが・・・
参考サイト(英語)
以前書いた記事も参考までに。
子どもが「からかい」の対象になってしまったときの対処法 - さらつま日記