先日、メリーランドへ行ったついでに、スコット・フィッツジェラルドのお墓参りをしてきた。たまたま数週間前に家でThe great Gatsbyを見たのがきっかけ。今までは、フィッツジェラルドといえば「村上春樹がすごく影響を受けた作家」という認識しかなかったけど、映画を見てから、がぜんこの作家に興味がわいた。
ということで、DCの造幣局観光をあきらめるからスコットの墓参りへ連れていってくれと旦那に頼み、しぶしぶ連れていってもらった。(造幣局では連なった状態のドル札をおみやげに購入できると聞き、ぜひそれを入手したいと言ったら即却下された。)
ということで、DCの造幣局観光をあきらめるからスコットの墓参りへ連れていってくれと旦那に頼み、しぶしぶ連れていってもらった。(造幣局では連なった状態のドル札をおみやげに購入できると聞き、ぜひそれを入手したいと言ったら即却下された。)
メリーランドの冬景色を車で走ること数十分↓
お墓に隣接する教会↓
アメリカを代表する作家の墓というのにひどく寂しい場所にある、ひっそりとしたお墓。
お墓の前にはお酒やコイン、本やペン、眼鏡などが供えられていました。
そして、その墓石にはThe great Gatsbyのラストの文章が刻まれています。
アメリカを代表する作家の墓というのにひどく寂しい場所にある、ひっそりとしたお墓。
そして、その墓石にはThe great Gatsbyのラストの文章が刻まれています。
Gatsby believed in the green light, the orgastic future that year by year recedes before us. It eluded us then, but that's no matter -- to-morrow we will run faster, stretch out our arms farther ... And one fine morning --
”So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past.”
村上春樹の翻訳ではこうなる。
ギャツビーは緑の灯火を信じていた。年を追うごとに我々の前からどんどん遠のいていく、陶酔に満ちた未来を。それはあのとき我々の手からすり抜けていった。でもまだ大丈夫。明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差し出そう。……そうすればある晴れた朝に――
”だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも”
”So we beat on, boats against the current, borne back ceaselessly into the past.”
村上春樹の翻訳ではこうなる。
ギャツビーは緑の灯火を信じていた。年を追うごとに我々の前からどんどん遠のいていく、陶酔に満ちた未来を。それはあのとき我々の手からすり抜けていった。でもまだ大丈夫。明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差し出そう。……そうすればある晴れた朝に――
”だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも”
映画版、ディカプリオの演技もよかった・・・
フィッツジェラルドのことを色々ネットで調べてたら、こんな名言を見つけた。
一つの敗北を決定的な敗北と勘違いするな
Never confuse a single defeat with a final defeat
精神力とは、物事をやり抜く力だけでなく、物事を一からやり直す能力にも示されるものだ
Vitality shows in not only the ability to persist but the ability to start over
挫折を繰り返し経験しつつもあきらめなかった人物がゆえの言葉だなぁ。
この日の旦那はなぜか「日曜のミサやってるのにお墓入って大丈夫かな。教会の人、見てるよ。もう出よう。お墓で写真なんかとるもんじゃない(怒)!」と、やけにチキン。ここはお墓だけど、教会側だってしっかり「フィッツジェラルドの墓」という観光者向けフラッグ用意してたくらいだから写真とるくらい許してくれるだろう。
この旦那による「急かし」と、子どもたちの「寒い、もう歩けない」「だっこ、だっこ」等の駄々、「ここで何するの、なんでお墓にくるの」等の質問攻めをこの日ほど苛立たしく思ったことはなかった。
かつてフランス旅行の際、特にそれほど興味もなかったルーブル美術館だけど旦那の強い希望でほぼ半日つきあったのに、私の墓参りはものの10分で慌ただしく終了。正直フィッツジェラルドの運命に思いをはせる時間がなかった。
今度は旦那も子どももなしで、一人でもう一度ここに来たい。
まずは近いうちに彼の他の作品も読んでみようと思う。