ほろほろ日記

こぼれ落ちる思い出を繋ぎ止めるメモ

運送会社UPSのドライバーと少年の心温まる動画を見て思い出した絵本がある

少し前のことだけどこんなニュースを読んだ。

「配達員さん大好き」な4才の少年 → 配達ルートが変更され配達員さんと会えなくなる → 2人の友情のために配送会社が少年に素敵なプレゼント! | ロケットニュース24

 

英語版はこちら


Company Gives Boy Who Loves UPS a Mini Brown Truck to Drive - The Good News Network

 

トラック好きの少年が特にお気に入りなのがUPSのトラックで、二週間に一度牛乳を届けてくれるUPSのドライバーさんとの心温まる話だ。

 

 

このニュースを読んで思い出した絵本がある。

”Puff the magic dragon”という絵本。原作の絵本は見たことがなくても大ヒットしたピーター ・ポール&マリーの歌のほうは聞いたことのある人は多いのではないかと思う。

強いドラゴンのパフと少年ジャッキーとの友情の話。二人はとても仲良く、いつだって一緒に旅や冒険を楽しんでいたのだけど、少年はある時期を境にパフの元を訪れなくなってしまう。少年の興味が他のものへ行ってしまったのだ。子供の興味は成長に伴い変化していく。いつもなら勇ましいパフが悲しさのあまり頭をうなだれて洞窟にこもってしまう場面はいつだって切ない。

歌のほうでは出てこないけれど、絵本ではその後パフのもとを新しい少女の友人が尋ねてくる場面で終わる。

そうやって、子供たちとパフとの物語は繰り返されていく。

 


Puff, the Magic Dragon - YouTube

 

UPSのドライバーのおじさんとこの少年の物語もどこかPuffに通じるものがあるんじゃないか。(今は担当が変わってしまっているのかもしれないが)、仮にこのおじさんが今後もずっとこの少年の配達を担当していたとしても、おそらく今はトラックの音が聞こえるやいなやおじさんが来るのを嬉々として待ち構えているこの少年もいずれは彼を出迎えることがなくなるかもしれない。

きっとその時おじさんは、少なからずパフが味わったような悲しみを経験するかもしれないな、なんて勝手な想像して勝手に切なくなってます。

 

でも、変わらないものもある。パフのもとを新たな子供が訪れることでこの物語が続いていくように、2週間ごとに牛乳を届けてくれるUPSの車の音を待ちこがれる少年少女はきっと世界の色んなところにいる。そして、ドライバーのおっちゃんを、はち切れんばかりの笑顔で迎える。

 

UPSのおじさんが言ってた言葉で印象的だったものがある。 

“[In] my job, I meet a lot of wonderful people, but Carson really stood out,” Lagasca said. “Just to see him growing up so far in his young life, how I’ve made an impact on him. He adds a bright light into my life. It makes me feel my job is more worthwhile.”

 

「仕事では多くの素晴らしい人たちに出会えます。でも、カールソンは本当に特別なんです。まだ幼い彼が日々成長していく中で、彼にどれだけ私が影響を与えることができているか。彼は私の人生に一筋の光をくれました。それは私に、この仕事は価値のある、やりがいのあるものだと思わせてくれるんです。」

 

このUPSのキャンペーンの名前、その名も「Your wishes delivered campane〜 あなたの願いを届けます〜」。

このUPSのおじさんもまたカールソン少年によって希望という一筋の光をもらって一人なんだろう。

 

子供たちの夢をまわりの大人たちが温かく育む。それによって大人たち自身もまた何か大事な何かに気づくことができるのかもしれない。