ほろほろ日記

こぼれ落ちる思い出を繋ぎ止めるメモ

ただものではない辞書

先日閉館した図書館でもらってきた辞書がかなりおもしろい。本当は他に狙ってた辞書があったんだけど、行ったときにはすでに他の人の手に渡ってて仕方なく残りを物色してたときにたまたま見つけた。Modern American Colloqualisms. よく見たら監修があのサイデンステッカー。
 
以前、turn in が「寝る」の意味もあることが不思議でアメリカ人の友達に本当にこういう意味で使うのか聞いてみたら「寝るって意味もあるけど、田舎のほうのじいさんが話してるような感じ」と言ってた。なんでまたそんなイメージなんだろうと思ってたところ、この辞書でひくとちゃんとその由来が書いてて、(由来を知らないはずの)友人の言ってたイメージとその意味が合致してたところに感動。ぺらぺらめくって読むだけでくすっと笑える辞書。例文が生き生きしてる。説明も余計なことまで書いてあって面白い。以下、最近見つけたお気に入りのフレーズと説明。

a big wig →(とくに政治や官僚世界の)大物。広くはどんな部門でもよい。昔、大物がいちばん大きいカツラをかぶっていたことからきた言い方。
as bald as a billiard→つるつるに禿げて。「禿げ」を強調した言い方。(玉突きの玉)を略したもので時たまbald as a billiard ballとまで言うこともある。
as cool as a cucumber→落ち着き払って。「きゅうりのように落ち着いている」きゅうりの冷たい感じとcoolの元の意味の(ほどよく)冷たい、をかけた表現。
count one's chickens before they hatch→取らぬ狸の皮算用。皮算用式に訳せば「孵らぬひよこの鶏算用」ということになる。

皮算用式に訳せばって何だ。ビリヤードを玉突きといい、しかもさらに強調した表現まで紹介するなんて。辞書で「時たま」って普通使わんやろ。「玉」とかけてる?なんて一人で邪推。
「本当ですか」って聞きたくなるものも色々あるけど、こういう辞書はぱらぱらめくって読むだけでも楽しめます。細かいニュアンスの説明をここまで丁寧に書いてるのは他にないかも。残り物には福がありました。

a cheapskateに関しては、むしろ「しみったれ」っていう日本語にそんな意味があったのかと思った。この説明も秀逸。具体的すぎるほど具体的な例文と状況の数々。ぜひ一読を。

 

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