ほろほろ日記

こぼれ落ちる思い出を繋ぎ止めるメモ

バセドウ病の既往でエステ拒否されたので医者に聞いてみた

最近仕事のストレスからか、目の下のクマがひどくなってなんだかゲッソリ感が悲しくなったので、そうだ、エステに行こうと思い立ちました。

 

新規だと結構な割引にしてくれるところが多く、クマのケアならうち!みたいな宣伝が目を引いた某店をポチッと予約しました。

 

その後、お店から以下のメールが来ました。

 

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禁忌事項の確認か・・・

特に深く考えることもなく、正直に答えました。

私は20年以上前にバセドウ病の手術をしました。全摘ではなかったものの、手術後の甲状腺の機能がしっかり戻らなかったため(7割の人はだいたい薬飲まなくても大丈夫になるけど、「チャーロットさんは残りの3割の方に入ってしまったかも・・・」と、当時のお医者さんから言われた)、それ以来チラージン(不足している甲状腺ホルモンを補う薬)を服用しています。

 

このアンケートに答えて数日は何も音沙汰なし。

それで、予約前日になって突然お店からキャンセルの電話がかかって来ました。

その理由が私は

 

甲状腺疾患がある

②薬を服用中

 

ということでした。

 

私:「甲状腺疾患って言っても、私の場合は体の中で作れないホルモンをお薬で補充しているだけでバセドウ病の治療自体は終わっているんですけど。。。」

店:「ではお薬の服用が終わった時に・・・」

私:「私、この薬は一生飲まないといけないんですけど・・・」

店:「申し訳ありません。当店では甲状腺疾患のあるお客様の施術はできないことになっておりまして・・」

というようなやりとりで、なんかもう、もういいわ!って思って、

 

私:「はいそうですか、わかりました(棒読み)」

 

で電話終了。

直後あたりにメールの方にも「あなたの予約はキャンセルされました」って確認メールわざわざ届いた。

 

電話を切った後に、なんか知らんけどすごいショックを受けてる自分がいました。

バセドウ病の既往とエステって、関係なくね?

これ、差別じゃね?って。

 

ちなみに辞書によると差別の定義は以下

特定の集団や属性に属する個人に対して、その属性を理由にして特別な扱いをする行為

特定の属性というのが私の今回のケースでは「バセドウ病の既往があること」に当たります。

内閣府が国内の条例における差別の定義の一覧を作成しているので参考までにこちら↓

 

www8.cao.go.jp

 

さいたま市の条例から抜粋してみると

正当な理由なく、障害者の持つ障害を理由として、障害者でない者の取扱いと比べて不利益な取り扱いをし、又は取り扱いをしようとすること。

 

ただ単に、一切のリスクを負いたくない店側がまとめて既往のある人や薬を服用している人を拒否してるだけの話なんだろうと思います。

ここで、「それは店の自由」って言う人もいると思うけど、それは自由じゃなくて、単なる差別だから。差別を正当化する人はいつかされる側になってもそうやって「そうか、自分はこういう(属性・体の特徴・性的指向・性別・家族構成・生い立ちetc・・・)だから、自分以外の人が普通にできていることができなくても仕方ないんだな、って思えるか?って、自分の胸に手をあてて考えてみてほしい。

思える、って人はそれはそれでとても悲しいことなので、周りにいる信頼できる人にそのことを「どう思う?」ってぜひ聞いてみてほしい。不当な扱いに対しては自分をもっと大事にしてあげてほしいから。それ、おかしいよ、ってあなたのために憤慨する人は絶対いる。

 

とにかくも、バセドウ病の既往のある人が本当にエステ行っちゃダメなのか、専門家の意見を聞きたいと思い、色々調べたところ、甲状腺専門の伊藤病院のホームページの「よくある質問」の中に見つけました。

 

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甲状腺機能が正常でしたら受けていただいて問題ありませんが、医療行為ではないため、ご自身の判断でお願いします。

 

エステって一言で言っても色々あるだろうから病院も気軽に「大丈夫ですよ」とは言えない苦しいところだと思います。その中でも、こんな文面を載せてくれただけでもありがたい。これで何か問題があった時に「施術に問題があった」って言われたくないお店の側のリスク回避したい気持ちもわかるし、一人一人そんなに詳しく話し聞いてる時間ないしめんどくさいってのもわかる。バセドウ病に限らず、こういうことって、いろんなところで起きてることで、それを「仕方ない」で済ます以外の方法ってないんだろうか。

 

先日、甲状腺の薬をもらうために病院に行って来ました。

それで今回の店とのやりとりの件を先生に聞いてもらいました。

 

まず私の場合はバセドウの「治療中」というカテゴリーになるのかという点については、「手術したから治療済み」ということでした。

私の場合は「術後甲状腺機能低下症」という名前になるようです。ちなみに甲状腺の数値はここ10年以上ずっと安定しています。

 

先生、私エステに行こうと思って予約したら、拒否されたんですけど。。。

 

っていったら、先生、即答で

 

それは相手が無知なんですよ、バセドウ病のことを勘違いしてる。そんなとこ行かなくてむしろ良かったですよ。

 

先生、優しい・・・😭久しぶりに誰かを拝みたいと思いました。

 

バセドウの既往とエステは基本的には「関係ない」。そうなると、やはりこのエステ拒否については「正当な理由なく」「不利益な取り扱い」を受けた、つまり、差別を受けたと言えると思います。

でもこれって、バセドウ病に限らず何らかの服薬が必要な人、既往のある人、かなりたくさんの人が同じような経験をしているのではないでしょうか。

ネットで検索してみるに、おそらくエステ業界はどこも似たような状況があるようなので店を変えたところで同じことが起きる可能性はかなり高いのかなという印象を持ちました。こうなると私がエステをすんなり受けられる可能性は嘘でもつかない限りかなり低い。

 

もし同じようにバセドウ病の既往でエステを断られた経験があって、このブログを読んでくださっている方がいるなら、「その気持ち、モヤモヤ、怒り、わかります!!」と声を大にして言いたいです。

 

大事なことなのでもう一回先生の言葉を引用します。

 

そんなとこ行かなくてむしろ良かったですよ。

そんなとこ行かなくてむしろ良かったですよ。

 

リスクを取りたくないのはお店以上に客本人。だって、自分の体だから。

そのための確認であってほしいし、何かある場合は主治医に相談するなりして自分でもしっかり理解、納得した上でエステ利用したい。

お互いにとって、もっと、より良い方法があるはずです。

 

でも今回は頭にきたので、クリスマスにでもちょっと高い美容液とか買って自分で自分をケアしようと思います。

 

 

 

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↑こういう施術をしてもらうはずだったんだけど、この中のどの部分にどんなリスクがあるって言うんだろう。