ほろほろ日記

こぼれ落ちる思い出を繋ぎ止めるメモ

子どもが「からかい」の対象になってしまったときの対処法

先日長女がこんなことを言った。

「おともだちがりさのことをAlisaとかThelisaってよぶんだよ」

はじめは何のことかと思ったけど、よく聞くと名前に冠詞のAとTheをつけるという日本語ではお目にかかれないタイプのいじり方をされたらしい。おそらく原因は、以前このブログでも書いたけど長女が名前をLisaとRisaと二つ使っているということじゃないかと思われる。参照→りさとアントニオ猪木 - さらつま日記


名前をいじってからかわれるというのは私自身も含め子どもの時には多くの人が経験してる。ただ、名前に限らずその子の体型や話し方、癖、家族構成などをターゲットにしたこの手の「からかい」がエスカレートして「いじめ」に発展するということも十分あり得るケース。
特にアメリカ社会で暮らす日本人のうちの子は明らかに「マイノリティ」。そういう対象になる要素も他の子より多く持っている可能性も高い。

ということで、問題が小さいうちに摘める芽は摘んでおきたいと思う。

とりあえずネットで情報を探してみたらとてもいいサイトを見つけたので紹介したい。(原文はこちらからどうぞ。)
Taking the Fun Out of Teasing

要約するとこんな感じ。

まず大事なことは、からかられた子どもがそういう嫌なことを言われたときにどんな反応をするかということ。
なぜ人をおちょくったり「からかう」のか。
それは単に「その子の反応がおもしろいから」というのが一番大きい動機とのこと。

このときにからかわれた子どもがやってはいけないこと。
まず第一に自分も相手に同じようなことを言って、そのいじめっ子と同じレベルまで落ちないこと。
次に、泣く、怒る、という反応。
人をからかう子っていうのは、相手のこういった反応がおもしろくてやってるから。だとしたら、「こいつ、からかっても面白くないな」という反応をするのが一番効果的だということになる。

それでは実際にどんな対応をすればいいのか。
「からかい」そのものを「からかっちゃえ」ばいいのだ。

具体的にうちの子のケースを例にとってみるとこうなる。

「HEY! Your name is Alisa, Thelisa~!!あんたの名前はアリサ、ザリサ~。」

と言われたら落ち着いた口調で堂々と、こんなふうに答えるといい。

SO WHAT?? だからなに??」

その他の例・・・・・
I've heard that one before. それ前にも聞いたよ。
Tell me when you get to the funny part.  それでオチは?。
And your point is.... で?
Can't you think about anything else to say? なにか他に言うことないの?

などなど。
その子のシチュエーションにあわせてそれぞれ親子で考えてもいいとのこと。

我が家の場合は以上のもの以外にこんな会話例を考えてみた

Oh, Don't you know how to use A and The? I thought you were a native English speaker.
I'll tell you something important. Don't put articles before names. Do you understand? 
(え!AとTheの使い方知らないの?あなた英語のネイティブじゃなかったっけ?いいこと教えてあげる。名前の前にはね、冠詞はつけないのよ。ワカッタ??)


大事なことその2。

これらの会話を親子で楽しんで笑いとばすこと。

例えば、子どもたちの中には親のことを中傷して(太ってる等)くる子どももいる。そんなとき子どもは自分以上に傷つく恐れがある。加えて、親がそのことを気にしているとわかった場合、なおさら子どもへのダメージも大きくなる。
例えば、私が英語がうまく話せないことを娘の友人がばかにしたとしょう。

「『あんたのママは英語へたくそね~。』って友達が言ったの」って娘が言ってきたときに私がとるべき言動は一つ。

「あ~、そうなんだよね、ママは頭がよすぎて英語と日本語が区別つかないんだって言っといてよ(笑)。」
「日本人だからね~(笑)」
「そうそう、特にRとLの音が苦手だって付け加えておいてよ(笑)」
「冠詞なんて超苦手だよ(笑)」

ポイントは台詞のあとに必ず(笑)を入れること。

親もまた笑いとばすのだ(事実傷ついたとしても顔で笑って心で泣くべし)。親が傷ついてるとわかると子どもも傷つく。でも、親がそれを笑い飛ばしてたら子どもは「ここは傷つくとこじゃない」と気がついて楽になる。

そして、一通り会話例ができあがったら子どもと一緒にそれを何度もリハーサルする。

このやり取りが実践できれば「いじめっ子」だけでなくその会話を傍観しているまわりの子どもたちにも強いインパクトを与える。
「いじめっ子」より「被害者」が一枚上手という力関係を示すことになるからだ。


被害者が傍観者の同情をひき、彼らを味方に付けることになれば「いじめっ子」にとって好ましい状況ではなくなる→「いじめっ子」は「からかう」ことに楽しさを見いだせなくなる→からかうことをしなくなる、というシナリオだ。

ぜひこれを実行して相手がどんな反応を示したか聞きたいのだけど、娘曰くあの日以来Alisa Thelisaと言われてないとのこと。

まぁ、どんな状況にしても、このスキルは(大人も子どもも)身につけておいて損はないと思う。

 

 

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