ほろほろ日記

こぼれ落ちる思い出を繋ぎ止めるメモ

歯医者へ

先日、どうも去年治療したはずの歯の調子が悪いので、重い腰をあげて歯医者へ行こうと思った。

だがそのためにはまず電話で予約をとらねばならない。
今まで小児科の予約をとるときにてこずり、自動音声で流れてくるメッセージ(アメリカでは受付につながるまでにこの自動音声に従って進まなければならないことが多い)を何度も一人繰り返し部屋で聞いて色々ボタンを押してみるも、その後突然ツーっツーっという無機質な終了音を何度耳にしたことか。電話にぎりしめたまま空しい思いを抱くこと数秒ののち気をとりなおす。

とりあえず歯科クリニックにもまず自分でかけてみた。出だしはいい感じだ。でも、途中で何か保険のことを色々と言い始めたところで、相手の言ってることがわからなくなった。わかったふりをすべきか、もう一度ゆっくり話してもらうべきか、いっそのこと切ってしまえばいいのか、と、そこで、絶妙のタイミングで旦那が帰宅。電話をかわってもらってなんとかやり過ごす。

旦那いわく、まず検査だけで200$(約2万円)かかる上に、それをまず自腹で支払ってからあとで保険でカバー(されるはず?)って言ってたよ、とのこと。にしても、歯の治療に入る前の段階で200$って・・・前、テレビで年に一度歯医者さんたちがNYかどこかに大集合して野外で無料で歯の治療してくれるものにものすごい数の人たちが並んで待ってる映像見たことあるけど、無理もないと思う。

とりあえず行ってみないことにはどの程度悪いのかもわからないので予約をいれてもらった。
そして当日、英語の不安を抱えつつ、痛みの症状を伝える方法だけはネットで仕入れて行った。

まず待合室に到着。どこぞのホテルのロビー(?とまではいかなくても)かなりゴージャスな感じ。なぜか歯医者なのにコーヒーマシーンなども置いてあり、自由に飲める。私としてはせっかく歯も磨いてきたのでコーヒーなど飲みたくても飲まない。とりあえずソファーに腰かけて呼ばれるのを待つ。まわりの人々が歯科衛生士さんと談笑する様子を眺めていて気がついた。

みんなやたらと歯が白い・・・

ホワイトニングやってんだろうな~、なんて下世話な推測をして時間をつぶす。そうだ、「アメリカ人は歯が命」なんていうのをどこかで聞いたことがあるぞ。

そしてとうとう私の番。

まずは問診から。痛む歯の部分のことや過去の病歴からいくつもの質問に答えたあと、保険のことも色々と入念に聞かれる。(こちらでは民間の保険に入っていないと非常に高額な治療費がかかるため)
その後、診察台のある部屋へ通され、歯科衛生士さんの指示に従ってレントゲン撮影。ここでおかしなことに気がついた。歯科衛生士のおばちゃん、すごくフレンドリーなんだけど、30才超えてる私をしきりに「Sweety」とよび、「そう、じっとしてて!うまくとれたわ!最高ね、パーフェクトよ!」のように細かいレントゲン写真を細かい方角から一枚一枚とるたびに褒める褒める。でもここで一つ衝撃の事実を発見。

おばちゃん、ガムかみながらやってる!!

まぁ、いいんだけど日本だったらありえないなぁ~。
さらに、このおばちゃんだけかと思ったら他の若めの歯科衛生士さんもガムかんでた。このクリニックではスポーツ選手ばりに歯科衛生士がガムをかむよ・・・

そして、やっとこさ歯科医の先生の診察へ。まぁ、何か特別なことするわけではなく、一本一本歯をチェックしていくあのおなじみのことをしただけなんだけど、なんと、悪いと思っていた歯ではなくその前にある詰め物をした歯に小さい穴があいててそこから菌が入ったんじゃないかと。そして、神経ぬいてクラウンかぶせようなんて話になった。黙ってても痛いわけではなく、かんだり圧力かけたときだけ痛いのと、冷たいものがしみる以外とくに症状がないだけにそこまでしなきゃいけないんだろうかと悩む。しかもその全額のお値段が3000$という破格の値段。どこまで保険が適応されるかもまだわからない状態。

日本に帰るまで我慢しようかな・・・(心の声)



診察室を出て受付で今後の相談。もっぱら保険のことを話すわけなんだけど、相手側も私の英語力をふんで、何やらぼそぼそと二人で話している。She is......ぼそぼそと。明らかにこそこそと私のことを私の目の前で話している。そして「ご主人、今日来られるかしら?」と。
私:「えぇ、今から電話してきてもらいますよ」と精一杯の大人の対応。

電話したら旦那がすぐでて、「もう待合室にいるんだけど」と。10メートルも離れてない距離で電話をかけていた私。
しかも旦那ホットココア飲んでた。
歯医者でホットココアを飲む人を見たのは人生で初めて。


まぁ、とりあえずはじめてのアメリカの歯科クリニック終了。

次回はあるのかな。
200$の検診代が話のネタ代として消えてしまうのか、今は私にもわからない。